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現在(2013)のカブ系の変速機構は50ccのプレスカブ以外は走行中は常時噛合式リターンで停止中はロータリー式にってもの。ちなみに50ccプレスカブは常時3段ロータリー。でクラッチレバーは無し。でリトルカブは3段変速。
少しバイクを知ってる人の認識はカブはクラッチが無いマニュアル。俺も前はそういう認識でしたがいざ詳しくどういうものなの?って聞かれたらよくわからなかった。
てことでそういう説明。今回はギアチェンジのコツとか書いてません。

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見ての通り左ハンドルにクラッチレバーは無し。スクーターだと左には後ろブレーキのレバーがありますがカブは右足に後ろブレーキがあるので何もなしに。
ただしクラッチレバーが無いからといってクラッチが無いわけじゃない。昔はクランク軸上の遠心多板クラッチでというか一部車種はまだこれかな。でカブ110から採用されたのが2段クラッチシステムってもの。
詳しくはこちらへ http://momomhf.doorblog.jp/archives/1571647.html
構造を簡単に説明すれば発進時は遠心クラッチを使用し走行中はマニュアルクラッチを使うってもの。
遠心クラッチってのはスクーターでよく使われてますがエンジンがある一定の回転数になるとその回転力の遠心力によって内蔵のシューが開き接触し動力がタイヤに伝わるってもの。
そういう機構なんでクラッチレバーがあるバイクならば停止中にクラッチ切るかNに入れないとエンストしてしまうが何もしないで停止してもエンストはしない。

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でギアチェンジしようとギアペダルを踏むとクラッチが切れてギアが変わる。踏むことによりクラッチを切るのとギアチェンジを同時にしてくれるってことです。
なんかものすごいハイテクな感じですが構造的にはものすごいローテク。そして耐久性もピカイチで半世紀以上もギアの基本構造は変わってないってことで完成度の高さはわかっていただけるかと。
こんなものを1950年代に作ってしまうのですからね。ものづくりの日本の底力てことでしょうか。ちなみになんでこんなもの作ったかというと1960年までは免許なしで原付は運転できたので配達用途で片手運転で雪駄でなんて人が多かった。なもんで片手運転用にクラッチレバーがなく踏むだけでギアチェンジができるものをとこういう構造になったと。
世間のニーズをしっかりと分析しそれに答えるものを作り上げる。そうすればおのずと売れるってね。

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構造の話はこのへんで本題書かないとね。ギアは4段ならばN(ニュートラル)→1→2→3→4。てのが基本的なギアの順番。逆も当たり前ですがいけます。普通のリターン式のバイクのギアだと1→N→2と一速の間にN入りますがこれはそうじゃないです。
で停止中ならばロータリー式となるのでN→1→2→3→4→N→1・・・とギアが変わり続ける。こういう風にギアが回転してるかみたいになるのでロータリー式。逆もってことでN→4→3・・・という風にもいけます。
で走行中はリターン式となりN→1→2→3→4か4→3→2→1→Nってことに。走行中であれば4速からギアアップしてもどこにも入らずそのままでNからギアダウンしてもNのまま。
具体例を出すとまず1速で走りだします。で2→3→4と入れていき信号が赤なので停止。停止したらギアアップしてN→1と入れて信号が青になったらまた1速で走行開始ってことに。
普通のリターン式ならば停止して一速に入れなおしたいとなれば6→5→4・・・とやるというかスパーダのときはそうしてたのですがこの構造ならギアダウンという操作がいらず無駄にチェンジする必要もないと。
なんとまぁ合理的てことですな。走行中リターンにしないでずっとロータリーでいいんじゃね?って疑問持つ人もいるかもだがというか昔はその方式が多かったのだが走行中ロータリーだと4→N→1って操作をしてしまう場合があるんよね。でこうなるとどうなるかってことですが4からNも怖いんですがそこから1がもっと怖い。
4速だと約60キロくらいでてることが多いがそこから限界速度が約30キロの1速に入るってことで超強烈なエンジンブレーキがかかり最悪ジャックナイフでバイクから吹っ飛びます。そういうことが無いように走行中はリターン式のほうが安全だってことで。
つーかバイク屋の店長が「ギアはロータリーで・・・」と最初説明されてちゃうがなと突っ込みそうになってやめましたw まぁカブ=ロータリーってのが常識ではあるんでしょうがないが今はこの停止中だけロータリーが主流ですのでお忘れなく。

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シフトダウンはこんな感じにカカトでやるってのが早いがダウンもつま先で踏みつけたほうが楽だったりもしますね。まぁお好きなほうでどうぞ。
そんなことでどんなギアチェンジの方法かわかっていただけたかな?
まとめるとギアの操作は脚だけでやり、シーソーペダルの前を踏むとアップで後ろ踏むとダウン。N1234っていう順番のギアで停止中はN1234N・・・と回転ギア式のロータリーで走行中はN1234とギアは回転しないリターン式。でそういう構造なんでペダルの前だけを踏んでアップ操作だけでギアチェンジってのができますよみたいなことです。で発進には遠心クラッチを使用しているのでNじゃないギアで停止したとしても何もしないでもエンストすることは無い。こんなところか。

いわゆるの2輪免許持ってるとこの構造がすんなり飲みこめないのよね。ギアチェンジはクラッチを握ってという動作が体に染みついてるので。で俺みたいにそういう操作のバイクを長年運転してた経験があると頭じゃわかってるが体すぐについてこずうまくリズムが取れないんですよね。
なんか難しい感じに書いてしまったがただガチャガチャペダル踏めばいいだけ。のりゃ一発でわかるのですがね。だれでもできますので購入しようかなと思ってるがギアが〜って不安な人もいるようですが心配しなくて大丈夫。すぐなれますので。
2013/4