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うちの中華カブ110(JA10)。買ってすぐに乗って違和感があったのがシート、というか正確にはシート角度。写真で見るかぎりそんなでもないように見えるが乗ると尻が前のめりというか、前のほうにナナメ下というか、真下にドカっと座れないんですよ。で走っててブレーキかけると前にズリっとすべりおちるような感覚と戦うことに。
JA10以外のカブもたしかそうなんですがシート形状は後ろがすこし跳ね上がっていてそのまま平か微妙に前下がりに。基本的にカブは短距離を何度も乗り降りするってバイクなんでこれのほうがいいってことなんだと思う。がツーリングのレビューで書いた尻痛の原因の一つにこのシート形状があるのも事実。
そこらへんちょろちょろ乗るだけならこのままでよかったんですが、まだまだ長い距離乗ることになるのでちょっといじりましょうと。
ものすごい簡単なプチ改造というものをこれから書きますがこれをすることにより部品が壊れる可能性があります。ホンダの新車だと2年保証ついてますがこういうことして壊すと保証は受けられないと思ってください。マネするかたはそういうことを理解して自己責任でお願いします。

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やりたいことはシートの角度を水平か後ろ下がりにするってこと。カブのシートが気に食わないときにやる定番はミディシートかロングシートいれて着座位置を後ろにすること。これは金かかるのと今のキャリア使えなくなるんで却下。次はシート内のスポンジを抜いたり入れたり。これのネックは材料費というより技術がないのでむちゃくちゃになる可能性高いのと元の状態に戻すのは不可能になるので却下。
あとはカブのシートの後ろ部分は吸盤でくっついてるんですがその吸盤パーツを削ったりなんだりで低くして後ろを下げるってのもあるがこれも元に戻せなくなるのでだめ。
で最後に残ったのがシートヒンジ部分のネジに何かをかませてシート前をかさ上げして角度を調整するってもの。
カブはシート前にヒンジがあってシートが持ち上がるようになってます。でガソリン入れるようになってるんですが、そのヒンジの付け根をあげれば自然と後ろさがりの角度にシートがなるじゃんってことよ。
これだと手持ち工具と材料でやれそうですし戻すの簡単なんでこれに決定。

てことでシートヒンジのナットを外す。上部分と下部分あるんですが今回は上のナットだけ外しました。下のナットが帽子つきで、間に何かいれてそのままナットを締めるのでボルトが短くなるわけで、それがどれくらい短くなるか確認しづらいので上外したと。
工具は10mmスパナだけ。でこのJA10でよく言われるのがネジ類が最初硬いってこと。このシートヒンジのボルトも緩むまでは柔らかくはなかったです。できれば写真のようにメガネレンチのようなナット全部を囲うようなものでやるのが無難。で思い切って半時計回りに回しましょう。そうすれば外れます。最初だけ回ればあとは指でまわせるのよね。
あと取ったボルト類はガソリンタンク上などバイクの上に置かないように。カランコロンと落ちて外装全バラシってことになります。そういう無駄なことしたくない人はナット取ったらちゃんとわかるところでバイク上じゃないところに置きましょうね。
この場合に限らずそういうボルト類はバイク上に置かないってのは基本ですのでお忘れなく。

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シートが外れました。2本目のナット外すとシート落ちますので気を付けてね。シートはシート側に凸の形した銀色のカラーにゴムワッシャー。でヒンジがあってゴムワッシャーの普通のワッシャーという組み合わせ。
サービスマニュアルある人はいいですが無い人は写真は取っておきましょうね。
で何かこのボルトの間に入れればいいわけですが、うちの工具箱に転がってたワッシャーを片側に2枚入れてみました。ボルトが6mmのものなんで穴の直径が6mm以上だと使えます。手元にない場合は買ってきましょう。
わかりきってることですがかさ上げのワッシャーはシートとヒンジの間に入れてくださいね。ヒンジ外にワッシャーかましても角度はかわりませんので。

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てことで2枚ワッシャーかました状態がこんな風になりました。2個上の写真からナットから出てるボルトのあまりがなくなったのがわかると思います。この分シート前が高くなったと。入れたワッシャー1枚の厚みは約2mm。4mm上げたってことですね。
本当は3枚入れたかったがボルトのあまりがあまりにも少ないのでまず2枚で様子みようかなと。これで足りないときは下のタンク側のボルトにワッシャー入れる予定。

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ということで完成写真。一番上の写真と違いがわからねーよってねw 

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わかりやすく並べて見やすくしてみました。上と下は同じ写真で下のはトリミングの枠いれてみて一応見やすくしたもの。
たった4mm上げただけですがこう見るとけっこう違うものです。調整する前のはシート後部の跳ね上がりが目立ちますが調整後は後部跳ね上がりが目立たず真ん中がへこんでるように見え上から座りやすそうに見えます。

で実際乗った感想はどうなんだ?というのが気になるところですね。まず走行しないでの座り心地がほぼ完ぺきに。スクーターっぽい座り心地って言っていいのかわからないがきっちりとお尻全体がシートに平行に密着して体重がしっかりと真下にいく感じになり非常に座りやすくなりました。
ほいで走行時となりますが、直線、コーナーと尻に安定感がでてかなり楽に。調整前だとすこし前のめりになるので腕には負荷がかかるのですがそれもなくなりポジションに自由度がましかなり楽な姿勢で運転できました。
がブレーキング時に前に荷重がかかるとまだまだシートから落ちそうな感じは抜けず。前のショックが縮むのでしょうがないことなんですがきつめのブレーキングを多用するのならもう2.3枚ワッシャーかましたい気分ですね。

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とその上の文章まで書いて数日たってタンクとヒンジの間に片側2枚ワッシャー追加。タンクとの間のほうがナットが回しやすいのでやりやすいです。

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でこれがワッシャーを片側4枚使用した約8mm前をあげた状態。撮る角度が違ってしまったので4mmアップからそんなに変化が見られない写真になっちまったが初期からすればかなりシート前は上がりました。
でこの状態のインプレとなるが停止中、直線は4mmアップのほうがよい。かなり前があがり無理に後ろに座るような形に。そして股間にシートがあたるような状態になりちょっと安定しないなぁと。
しかし減速時、ブレーキング時の前方への尻のスベリはほぼ解消。街中やスピード出すならこっちなのかなぁ。
と最終的に片側3枚の6mmにしました。まぁ中間を取ったてことです。実際どっちつかずのような印象になったのですがこれが一番いいのかなと。直線もブレーキング時のどちらも妥協できるラインにあるんで。

そんなことでこんな簡単な感じでわずかな幅の調整でしたが効果はかなりのものがありました。シートが前のめりでちょっと困ってるってことなら試してみるのはいいんじゃないでしょうかね。戻すのもすぐですので。
JA10のカブでのことを書きましたが基本的にどのカブもこんな風な調整は可能。他のカブでも構造よく確認してやってみる価値はあるかと。

注意点としては写真みてわかるとおりかさ上げするとボルトのあまりがなくなってきます。そうなると最悪振動によってボルトが外れてシートが外れるという問題が起きる場合があります。
強くがっちりボルトを固定ということじゃなく調整したのならば定期的にボルトの確認と増し締めはしましょう。それと最初に書いたようにこれによってシートのボルトやヒンジに余計な負荷がかかり破損ということが無いとは言えません。そして保障で直せないってことにもなります。マネするかたはそういうこと理解して自己責任でお願いいたします。
2013/7